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# 兵庫県「神戸市北区における男子高校生殺人事件」2010.10.4

< 事件のあらまし >
2010年(平成22年)10月4日(月)22時45分ころ、兵庫県神戸市北区筑紫が丘4丁目の路上にて当時16歳の神戸市内の男子高校生が20代から30代と思われる、小太りの男性によって刺殺された。刺殺された男子高校生は、当時15歳の女子中学生と交際中であり、事件現場近くの自動販売機でジュースを購入し、飲みながら二人でしゃがんで会話をしていた。唯一の目撃者である女子中学生の証言によると、不審な男性が自動販売機から少し離れた場所に座っていたという。その男性が突如刃物を持って襲ってきたため、男子高校生は女子中学生に逃げるように促し、女子中学生は現場から走って逃げた。しばらくして、心配になった女子中学生が現場に戻ってみると、男子高校生は元の現場からおよそ70mから80m離れた交差点で血を流して倒れていた。男子高校生は頭部や首や背中など数カ所を刺されており、搬送された病院で死亡が確認された。2017年(平成29年)現在も犯人逮捕には至っていない未解決事件である。この事件は「捜査特別報奨金」の対象となっている。

< 関係者/登場人物 >
【被害者の父親】 堤敏(つつみとし)さん 当時52歳
【被害者の母親】 氏名年齢不明
【長男】 氏名年齢不明
【長女】 氏名年齢不明
【次男】 氏名年齢不明
【三男】 堤翔太さん 当時16歳
【三男の交際相手】 前田悠莉(まえだゆうり)さん 当時15歳
【三男の友人】 同じ高校もしくは他校の生徒数人

< 被害者情報 >
【氏名】 堤将太(つつみしょうた)さん
【性別】 男性
【職業】 学生(当時・神戸弘稜学園高等学校2年生)
【事件当時の年齢】 16歳
【身長】 165-170cm
【体重】 55-58kg
【生年月日】 不明
【血液型】 不明
【住居】 兵庫県神戸市北区小倉台6丁目
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< 重要参考人情報 >
【性別】 男性
【当時の年齢】 20代後半から30歳前後
【現在の年齢】 30代前半から30代後半
【身長】 160-170cm
【体重/体型】 小太り
【服装/身体的特徴】 濃い眉毛、細目、くせ毛、ジャージ姿
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< 事件発生場所 >
(男子高校生が刺された場所)
・兵庫県神戸市北区筑紫が丘4丁目13-14
※青枠:男子高校生と女子中学生がいた場所。
※黄枠:犯人がいた場所。

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(男子高校生が倒れていた場所)
・兵庫県神戸市北区筑紫が丘4丁目13-12
※この交差点で男子高校生が倒れていた。
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< 事件詳細 >
(時系列)
1. 2010年(平成22年)10月4日(月)、被害者である男子高校生は18時ころ兵庫県神戸市北区筑紫が丘3丁目にある「筑紫が丘公園」に友人数名と集まって遊んでいた。その中に、事件の目撃者であり交際相手でもある女子中学生もいた。
※一緒にいた友人たちの証言による。

2. しばらくその公園で遊んだあとそれぞれ自宅へ帰宅したが、被害者である男子高校生は女子中学生に「22時ころ自動販売機の前で会おう」と連絡し、女子中学生も了承した。
※女子中学生の証言による。

3.
 男子高校生と女子中学生は、22時ころ事件現場となった神戸市北区筑紫が丘4丁目13-14にある「自動販売機コーナー」で再び会い、自動販売機で購入した缶ジュースを飲みながら会話をしていた。
※女子中学生の証言による。

4.
 女子中学生が、自動販売機コーナーから約10mほど離れた場所に、不審な男性が車止めのポール付近に座っていることに気が付き、男子高校生に「あの男の人気持ち悪いね」と話しかけ、男子高校生が「ほんまやな」と答えたという。
※女子中学生の証言による。

5.
 するとその不審な男性が二人に近づいて来ると、突如小型のナイフ(刃渡り10cm)を振りかざし男子校高校生を刺した。男子高校生は女子中学生に「逃げろ!」と叫び、女子中学生は一目散に駈け出した。このときの時間は22時40分ころであった。
※女子中学生の証言による。

6. 女子中学生は携帯で友人たちに連絡し、男子高校生が襲われた場所に戻ると、自動販売機コーナーから70mから80m離れた交差点で血を流して倒れている男子高校生を発見した。
※22時50分ころ車で通りかかった人が発見し警察へ通報した。
※110番の記録では女子中学生からの通報は22時49分であった。

7. 男子高校生は近くの病院へ搬送されたが、翌5日(火)0時30分ころ死亡が確認された。

8. 神戸北警察署に捜査本部が設置され、現場周辺を捜索したが凶器は発見されなかった。
※神戸北警察署の発表による。

9. 同月10日(日)10時40分ころ、事件現場から西へ100mほど離れた住宅街の側溝から凶器が発見された。
※掃除をしていた近所の住人が発見し警察へ通報した。

10. 同月22日(金)、神戸北警察署は目撃者である女子中学生を立ち会わせ実況見分を行った。
※神戸北警察署の発表による。

11. 神戸北警察署は現場周辺地域を中心に、約1万4千人に聞き込み調査を行ったが有力な手掛かりは得られなかった。

12. 2012年(平成24年)12月7日(金)「捜査特別報奨金制度の対象事件」として広告された。

13. 事件から6年後の2016年(平成28年)10月、神戸北警察署は事件で使用された凶器と同型のナイフを購入した人物を調べていたところ、2010年(平成22年)9月26日(日)に購入した若い男性を重要参考人として公表した。

(関連情報)
1. 男子高校生を襲った男性は、女子中学生が気配を感じてから数分間その場所から二人を見ていたという。
※女子中学生の証言による。
2. 男子高校生を襲った男性は、二人の目の前を通り過ぎてからまた戻ってきたという。
※女子中学生の証言による。
3. 男子高校生を襲った男性は、初めから男子高校生を襲うことが目的だったように見えたという。
※女子中学生の証言による。
4. 男子高校生の所持品を調べたところ、盗まれたものはなかった。
※神戸北警察署の発表による。
5. 女子中学生以外に、男子高校生を襲った男性の特徴に似た不審者を目撃した近隣住人がいるという。
※捜査関係者からの情報による。
6. 事件から一週間後に男子高校生を刺したと思われる凶器が発見された。
※警察が既に捜索して何も発見されなかった場所から見つかった。
7. 司法解剖の結果、男子高校生の死因は「失血死」であることが判明した。また、座っているところを刺されたことも判明した。
※神戸北警察署の発表による。
8. 男子校高校生は頭部、首、背中など計7-8ヶ所刺されていたが、首への深さ8cmの刺し傷が致命傷であった。
※神戸北警察署の発表による。
9. 執拗な刺傷から怨恨による犯行と推測される。
※神戸北警察署の発表による。
10. 男子高校生には、襲われたときに抵抗した「防御創」がなかった。殴られたような打撲痕があった。
※神戸北警察署の発表による。
11. 事件現場となった自動販売機付近は普段から不良たちのたまり場となっており、近隣住民から苦情が出ていた。
※近隣住民の証言による。
12. 凶器は事件現場近くの「ジャスコつくしが丘店」(現・イオンつくしが丘店)で購入されたものと見られている。約20本ほど販売され、最後に購入した客が9月26日(日)であった。
※神戸北警察署の発表による。
13. 監視カメラには「黒赤チェックの上着」に「プーマ製の水色ズボン」を履いている若い男性が写されていた。

< 疑問点/不明点 >
● 犯行の目的が不明である。
● 犯人の逃走経路が不明である。
● 有力な目撃証言が得られない。
● 刃物を持った不審な男性に襲われたにもかかわらず、悲鳴や叫び声を聞いたという証言がない。
● 事件の1週間後に、警察が捜索して何も発見されなかった場所(住宅街の側溝)から凶器が発見された。
※側溝の金属製の蓋も外して確認しおり、見落としはなかったという。
※あとから何者かによって棄てられた可能性がある。

● 発見された凶器は血痕が拭きとられていた。
※僅かに残った血痕のDNA鑑定の結果、男子高校生のDNA型と一致した。
● 刺殺が目的であったにもかかわらず凶器が小型である。
※刃渡り10cm、柄の部分が10cmほどの小型ナイフであった。
● 女子中学生の証言が二転三転しており「証言の信頼性」という点に問題がある。

< その他 >
◆ 男子高校生は、兄と姉の4人兄弟の末っ子であった。
◆ 男子高校生はバイクの免許を取得するため、神戸市北区内のゴルフ場「山の街ゴルフセンター」で週2回アルバイトをしていた。
※アルバイトの目的は「家計を助けるため」と報道された。
◆ 男子高校生が亡くなった翌日に、交際相手であった女子中学生がポエム風のブログをUPしたとされている。
※真偽は不明である。
◆ 男子高校生の葬儀には友人や学校関係者など含め約300人が参列し「レゲエ葬」が営まれた。
※「賑やかに見送ってやりたい」という遺族の意向により、男子高校生が好きだったレゲエが斎場で流された。
◆ 男子高校生が刺殺された現場には花やジュースの他に、アルコールや煙草も供えられていた。
※各局の報道番組で何度もその現場が映し出されている。
◆ 家庭の事情により、女子中学生は祖母と生活していた。
※両親とは同居せず祖母が育てていた。

< 考察 >
この事件は、ほぼ唯一の目撃者といえる女子中学生の証言のブレが大きく、当時の新聞や報道でも情報が錯綜している。例えば「不審な男性は正面から襲ってきた」「気が付いたら不審な男性は男子高校生の右側に立っていた」「不審な男性はウィンドブレーカーを着ていた」「不審な男性はジャージを着ていた」「男子高校生に逃げろと言われて逃げたため、犯行そのものは目撃していない」「不審な男性は男子高校生に馬乗りになって刃物で刺していた」などなど。それぞれの証言に矛盾があるため、捜査が難航するのも当然である。16歳の高校生と15歳の中学生が23時近くまで外で会って遊んでいたこと、二人の普段の素行に問題があったことも気になる点ではあるが、これらについては考慮に入れないことにする。
注目したいのは、犯行に使用された凶器が既に警察が捜索済みの場所から発見された点である。常識的には、犯行に使用した凶器は簡単には見つからない場所に遺棄するはずであるが、この事件に関してはわざわざ1週間後に事件現場から100mほどしか離れていない場所へ、しかも血痕を拭いてから遺棄している。
また犯人は、マスクや帽子などで顔を隠すこともなく、通行人に目撃される可能性があるにもかかわらず、交差点まで男子高校生を追いかけて背中を刺している。これほど目撃される条件が揃っているにもかかわらず、目撃者がいない。男子高校生の死因は「失血死」であることから、犯人は相当量の返り血を浴びていると思われるが、現場からはそのような足跡は発見されていない。ジャージ姿で刃渡り10cm程度の小型ナイフを持って現れ、突如男子高校生をめった刺しにし、返り血を浴びているにもかかわらずその血痕を踏むこともなく、女子中学生以外には目撃されず行方をくらました謎の男とは一体誰なのか?何者かによって殺害された男子高校生がいる、ということだけが判明している。

< 参考文献/引用サイト一覧 >
(参考文献)
越智啓太(2013)『ケースで学ぶ犯罪心理学』北大路書房
(引用サイト)

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